「旧小林寫真館 再生10周年と閉館のお知らせ」


令和元年81日をもちまして「旧小林寫真館」は2009年の再生から10周年を迎えることができました。
2009年に大規模な修復工事を経て、昭和37年(1962年)の廃業以来およそ半世紀ぶりに蘇った日本最北の現存する百年写真館が「旧小林寫真館」です。
明治40年(築112年)に創建された建築意匠を活かしながら「モダン&ヴィンテージ」をコンセプトに函館らしいハイカラな手法で多くの旅人たち(お客様)に“時空を超える撮影体験”をご案内してきました。
そして再生以来10年間、ご利用者様からお預かりした写真代金は全て建物の修繕費に充てるというユニークな手法で貴重な歴史的建造物の維持に向けた努力を続けて参りました。
これまでの活動にご理解とご協力を賜った全ての皆様に心より感謝申し上げます。

さて、このように皆様から愛されながら市井の人々の幸福な時間や開港都市函館の歴史を見つめ続けてきた百年写真館「旧小林寫真館」ですが、
大変残念ながら今年度末(2020年3月末)をもちまして建物の賃貸契約期間満了にともない閉館することになりました。
函館市や建物の所有者と協議を重ねてきた結果、来年度以降の賃貸契約継続を断念せざるを得ない状況となり、
大変遺憾ではございますが今年度いっぱいで退去することが決まりました。

これにより「旧小林寫真館」は百年以上に渡る写真館の歴史に幕を下ろし事実上廃業することになります。
建物の外観は函館市歴史的景観形成指定建物として今後も残される見通しですが、来年度以降は建物内への一般の立ち入りはできなくなると思われます。
つきましては北海道最後の現存する百年写真館として存続している来年3月末までに、北海道民はもちろん全国の旅行者や写真愛好家の皆様へ広くご利用をお勧めする次第でございます。
引き続き完全予約営業(記念撮影のご予約を頂いた時のみ開館)となりますが、この建物に写真館としての灯がまだあるうちにご来館頂けましたら誠に幸甚です。
たとえ写真館としての役割を終えてもその歴史(皆様と重ねてきた記憶)は写真の中に永遠に残ることでしょう。
漂泊の歌人石川啄木も訪れた浪漫あふれる百年写真館で“ポートレイト”という名の「人生の足跡」を残し、終わりのない歴史(記憶の継承)に是非ご参加ください。
明治、大正、昭和、平成、そして令和を迎えるまで現存した百年写真館での記念撮影は大変“縁起が良い”ですよ。
皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。

旧小林寫真館 三代目館主 谷杉アキラ 令和元年81


<記念撮影のご予約・お問い合せ先>
旧小林寫真館 TEL 090-1386-4840 (予約専用)